經濟學研究 = The economic studies;第54巻第4号

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<翻訳> マーティン・イエニッケ「環境フローのガバナンス : 国民国家を再生する必要」

吉田, 文和;佐々木, 創;行方, のな

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/6035

Abstract

まず、二つの基礎となる概念、すなわち環境国家(environmental state)と環境フロー(environmental flow)、について簡単に論ずることから始める。環境国家は、エネルギーから農業に渡るほとんど全ての政策を包含する。一方、環境フローを管理するためには(共同的な)統治という新たな概念が必要である。環境フローが通常地球規模の現象であるという事実は、経済と政治がグローバル化している時代において国民国家がまだ適切な役割を果たしうるのかという疑問を提起する。しかし、エコロジー的近代化が技術に基づいた政策によって追求されている限り、グローバルな状況においても国民国家は衰えることはない。しかしながら、環境統治には追加的な行政上・政治上の能力が必要である。私は、政府(すなわち共同的な解決が必要な場合の最終的な責任を明らかにすること)と国民国家の両方を、グローバルな舞台におけるもっとも有能な集合的アクターとして再生すことが必要であると結論する。

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